レインウェア研究所:線状降水帯・ゲリラ雷雨に備えよう!社員を守る防水対策。byトキワ

近年、線状降水帯やゲリラ雷雨による大雨災害が頻発し、私たちの生活に大きな影響を与えています。2023年、2024年も例外ではなく、日本各地でこれらの豪雨による住宅の浸水や土砂災害など、甚大な被害をもたらしました。

これらの気象現象は、大量の雨が降ることにより、都市部では冠水・浸水による被害が、山間部では土砂災害を引き起こすなど、深刻な水害リスクが懸念されています。しかも予測が難しく、いつどこで突然発生するかわかりません。企業においても、社員の安全確保のため、万全な防災対策が求められます。

本記事では、大雨やゲリラ雷雨への備えとしてのレインウェアと、その防水素材を使用した新しい雨具「防水バッグ」について解説します。

線状降水帯による大雨やゲリラ雷雨の脅威

線状降水帯

線状降水帯(気象庁)
出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/kishojoho_senjoukousuitai.html

線状降水帯とは、積乱雲が線状に連なって発生し、同じ場所を通過・停滞することで生じる雨域(雨の降るエリア)のことです。この線状降水帯により、同じ場所に長時間に渡って非常に激しい雨が降り続きます。2023年には、西日本を中心に線状降水帯が発生し、複数の県で1時間に80ミリを超える猛烈な雨が観測されました。これにより、河川の氾濫や土砂災害が発生し、多くの地域で大きな被害が出ました。2024年も6月〜7月にかけて九州・東海・東北地方で線状降水帯が発生し、観測史上最大の大雨となった地域もありました。

ゲリラ雷雨(豪雨)

ゲリラ豪雨のイメージ(気象庁気象研究所)
出典:気象庁気象研究所(https://www.mri-jma.go.jp/Dep/typ/araki/local_heavy_rainfall.html

ゲリラ雷雨は、激しい雷を伴う局地的な短時間の大雨のことです。国内では7月〜9月にかけて発生しやすく、ここ数年は概ね増加傾向にあります。ゲリラ雷雨(豪雨)は厳密には気象用語ではありませんが、局地的・突発的に発生することを奇襲攻撃(ゲリラ)に例えて広く用いられるようになりました。気象庁では集中豪雨・局地的大雨・短時間強雨などの用語を雨量に応じて使い分けています。

都市部におけるリスク(都市型水害)

近年、首都圏でも度々ゲリラ雷雨が発生し、浸水被害が相次いでいます。2024年7月には東京都・埼玉県で局地的に1時間に100ミリ以上の雨が降ったと見られ「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

このゲリラ雷雨により、都市部では地下街やトンネルなどが浸水したり、冠水により電車やバスをはじめとした交通機関が混乱する、車の水没、停電など、社会生活に大きな影響が出ました。夕方の帰宅ラッシュの時間を直撃したこともあり、多くの人が駅で足止めされている様子が報道されていました。

都市部では、コンクリートやアスファルトで覆われた面積が大きく、水が浸透しにくい環境です。そのため、ゲリラ雷雨(豪雨)など短時間の大雨が発生すると、水が排水されずに道路が冠水したり、地下街や地下鉄が浸水したりするなどの都市型水害が発生しやすくなります。

災害対策の重要性

避難経路や地域の危険箇所の確認

まずは、会社オフィスや訪問先の避難経路や、土砂災害が発生しやすい場所などを事前に確認しておくことが重要です。ハザードマップを活用し、身を守るための知識を身につけておきましょう。

気象庁のウェブサイト「キキクル(危険度分布)」でもリアルタイムで大雨・洪水情報の危険度分布が確認できます。

ゲリラ雷雨(豪雨)については、局地的・短時間の大雨のため、雨雲レーダーを活用して、今どこで降っているのか、いつ止むのかといった気象情報を把握するのも有効です。

レインウェアの備え

突然の豪雨に備えレインウェアを常備しておきましょう。

近年は気候変動によりゲリラ雷雨(豪雨)が全国的に頻発しており、傘だけではずぶ濡れになってしまうレベルの大雨が少なくありません。突然の豪雨に備え、いつでも持ち出せるよう会社にレインウェアを常備しておくことがおすすめです。

防災の観点からレインウェアを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

防水性

雨が染み込まない高い防水性能が求められます。

視界の確保

視界を遮らないようなフードやつばのデザインが工夫されているものがおすすめです。

反射材

夜間など暗中時に視認性を高める反射材が付いていると安心です。

透湿性

ムレにくく、快適に着用できる透湿性の高い素材を選ぶのも良いでしょう。ただ素材における透湿性は防水性と反比例関係にあるので、ベンチレーションやメッシュ構造など通気をよくする機能をもったレインウェアを選ぶのもひとつです。

安全性の高いレインウェアの選び方は次の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ御覧ください。

変化する気象状況に対応する雨具

以前は雨がしとしと一日中、時として連日降るような日が1年を通じて何度もありました。梅雨になれば、このような降雨日が降らない日よりも多いということで、日本では長年、梅雨に向けた備えと、梅雨の過ごし方が生活に根づいていました。しかし、近年の雨の降り方は地球温暖化の進行と共に急激に変化しました。

その変化とは前述の「線状降水帯」「ゲリラ雷雨」に代表される短時間集中豪雨です。
この短時間集中豪雨は毎年、日本全国あらゆるところで発生し、各地に甚大な被害をもたらし、都市部においては交通機関、屋外移動にも大きな影響を及ぼしています。

トキワは、完全防水を追求したレインウエアの企画・開発を専門とする一方、近年の雨の降り方の変化に対応する雨具の開発を数年来検討してきました。

新しい雨具「雨先案内人防水バッグ」

雨具と言えば傘が一般的ですが、傘だけでは近年の短時間集中豪雨に対応できるでしょうか?

雨具と言えば、多くの人が使用される雨具は「傘」ではないでしょうか。雨が降らない日でも折り畳み傘をカバンの中に収納しているように、雨具の代表格が「傘」であることは言うまでもありません。

一方、レインウエアは、その雨具の代表格である傘をさすことができない人に使用されています。雨が降る中、何か作業をするうえで傘をさしながらという状況は作業に影響し、とても危険です。つまり、傘とレインウエアは同じ雨具でありながら、使用する人を大別する関係性にありました。このお話をすると多くの方は、「言われてみれば・・・」と納得されます。

「線状降水帯」「ゲリラ雷雨」に代表される短時間集中豪雨が頻発し、雨の降り方が変化する昨今にありながらも依然、雨具として使用されているのは傘です。傘が強風にさらされ、傘に身体が引っ張られる状況は大変危険です。傘も変化する雨の降り方に対応できる高性能な傘が出てきていますが、傘という雨具だけで、この変化する雨の降り方に対応できているでしょうか。

また、傘や長靴など身を雨から守る雨具が多い中、雨から守りたいバッグや大切な手荷物などへの対策は十分でしょうか。濡れてもしょうがないと諦めているかもしれません。また都心部では、使用して濡れた傘を収納しようにも収納場所がない状態で、濡れた傘を手に握りしめたまま歩く光景をよく見受けます。

雨の降り方の変化に、従来の雨具が対応できているのか・・・思いを巡らせます。

トキワは長年、レインウエアという雨具で「完全防水」を追求してきましたが、そのレインウエアで培った「完全防水」のノウハウを、レインウエアのみならず、何か新しい雨具で役立てることはできないものか・・・・。そのような背景が、「雨先案内人防水バッグ」の開発にはありました。

生地はレインウエアで使用する生地(防水布)を使用

雨先案内人防水バッグは、レインウェアで追求してきた完全防水のノウハウをそのまま取り入れたバッグです。

それは、まず生地です。
レインウエアで使用している生地・防水布を使用しています。防水布については「【裏加工に秘訣あり】レインウエアの生地 防水布とは」 をご覧ください。

生地には、水が染み込むのを防ぐ性能で「耐水圧」という数値があります。
一般的な傘で使用されている生地(通称:傘地)は耐水圧にすると約500mmと言われており、小雨程度であれば防げますが、昨今の短時間集中豪雨での対応は不可能です。一方、雨先案内人防水バッグに使われている生地は20,000mm以上の数値が公的な検査結果としても出ています。

縫い目からの水の浸入を防ぐ防水テープ加工

そして二つ目は縫い目です。レインウエアに限らず繊維製品には必ず糸ミシンで縫製した跡の縫い目が存在します。その縫い目から雨水が浸入し、水漏れが起こることを私たちは長年のモノづくりで嫌というほど経験し、その水漏れを防ぐ技術革新を重ねてきました。

防水バッグの裏側に施された防水テープのイメージ

雨先案内人防水バッグの全ての縫い目には、裏側から防水テープが施されており、縫い目からの水漏れを防いでいます。この縫い目からの水漏れ、そして水漏れを防ぐための防水テープについては「 縫い目からの漏水を防ぐ!レインウエアの防水テープについて」 において詳しく解説をしていますのでご覧ください。

雨水は風のごとくあらゆるところから製品内に浸入し、製品の縫い目からも雨水が入ってきます。「防水バッグ」と称していても、縫い目の裏側に防水テープが施されているバッグと施されていないバッグがあり、防水実験でその違いを解説しています。

バッグ口部分からの水の浸入を防ぐ「止水ファスナー」

生地、縫い目を防水しても、雨水は風のごとくあらゆるところから製品内に浸入をしてきてしまいます。雨先案内人防水バッグのような袋物と呼ばれる形状では、口部分から雨水が入ってきてしまう為、口部分は何かしらの方法で雨水の浸入を防ぐ必要があります。一番最適な方法は、口部分をファスナーで塞ぐことです。

雨先案内人防水バッグには止水ファスナーを採用しています

そこで、雨先案内人防水バッグ(品番:314)の口部分もファスナーで開閉するデザインにしました。ところが、このファスナーもモノによっては、ファスナーの目(ムシ)から雨水が浸入する恐れがあります。そこで、雨先案内人防水バッグ(品番:320)は、防水性のある「止水ファスナー」を採用し、ファスナーの目からさえも雨水の漏れを防ぐようにしました。

濡れた折り畳み傘の収納は?

同じ雨具でありながら使用する人を大別する関係性にあった「傘」と「レインウエア」。
使用する人が違うとはいえ、多くの人にとっての雨具が傘であることは言うまでもありません。

「傘をさして雨の中を移動する」
これは雨が降る日に大方の人がとる行動です。

トキワの所在地・東京でも、雨が降りしきる朝、傘をさして駅へ向かう人で溢れています。電車は多くの人にとっての主要な交通手段です。雨の日は、駅構内も電車内も水だらけになります。その水は、駅を利用する人が駅までさした傘に付着した雨水です。雨の日の駅構内、電車内の水だらけの状況、もう少し何とかならないかな・・・と思います。床の材質によっては、滑り易く危険なところもあります。また、実際に傘をさして駅まで向かい、駅に着いた時、濡れた折り畳み傘の収納に困っている人の声をよく耳にします。

雨先案内人防水バッグには、折りたたみ傘を収納するポケットが完備されています。

このような人の為に、雨先案内人防水バッグ(品番:320)の側面には、傘を収納するポケットが完備されています。
そのポケットに濡れた傘を収納すれば、駅構内や電車内の乗客に対して、雨水での迷惑をかける心配もありません。
これで雨の日の駅利用、一気にストレスフリーです!

使い方

雨先案内人防水バッグは、新しい雨具として雨の日にカバンなどの手荷物を雨から守ることを目的に企画、製品化されましたが、実際に製品の特性を活かした様々な使い方の声が寄せられています。ここではその代表的なものを紹介します。

雨先案内人防水バッグの使用例:自転車カゴに入れた荷物を雨から守る

雨の日の自転車カゴカバー

自転車カゴに入れた荷物を雨から守るカゴカバーとして、お使い頂いています。従来のカゴカバーはカゴにセットされた状態で、カゴ内の荷物を雨から守りますが、雨先案内人防水バッグは、カゴ内の荷物の入ったバッグをそのまま持ち運べるという利便性が大変好評です。

雨先案内人防水バッグの使用例:汚れ物などの荷物入れ。匂いもシャットアウト。

汚れ物などの荷物入れ

子供の汚れ物を入れる袋としてお母様方にお使いいただいています。体操着など、汗で臭いのあるものを密封した状態で持ち運べるバッグとしての使い方があります。雨水を防ぐ徹底した完全防水構造になっていることから、バッグ内に収納したものの臭いも外へ出さないという効果があります。

雨先案内人防水バッグの使用例:給水バッグとして

給水バッグとしての防災製品

雨水からバッグの中に入れた荷物が濡れないという外からの防水目的に企画されたこの防水バッグは、「逆転の発想」で、中に入れたものを外へ出さないという効果もあります。

その為、バッグ内に水を貯めて、そのまま運べる「給水バッグ」という防災用品としての用途があることを評価いただいており、既に一部企業では、防災用品としての採用をいただいております。

地震などの災害時、まず必要とされるは生活用水であることが、被災された方々異口同音の証言からもあるように、給水車などで運ばれてきた水、川などにある水などを避難先などの拠点まで運ぶためのツールが必要です。これまでの給水ツールとして一般的なものはポリタンクですが、この防水バッグがあれば、日頃からコンパクトに場所を取らず常備することができ、必要に応じて使用できるという身近な防災製品として注目されています。

雨先案内人防水バッグには収納袋が付属します
雨先案内人防水バッグ(品番:320)には収納袋が付属。防水バッグをコンパクトに収納可能!

「雨先案内人 防水バッグ」は城北信用金庫が運営するJoynTV!で取り上げていただきました。
防水素材や水を通さない仕組みについて、実験を通して動画で分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。

まとめ

変化する気候変動、突然の大雨への備えを

線状降水帯やゲリラ雷雨など、地球温暖化が原因の気候変動は災害に繋がる危険性があることが、近年顕著になってきました。トキワはレインウエアメーカーとしてレインウエアという雨具で、これまでの時代の解を見出してきましたが、昨今の激しく変化する気候変動に対しては、レインウエアとはまた別の新たな雨具「雨先案内人防水バッグ(品番:320)」で、1つの解を見出していきたいと考えています。

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